ムーミンの日2026【イベントレポート】【ムーミン春夏秋冬】
8月9日、原作者トーベ・ヤンソンの誕生日を「ムーミンの日」と定め、日本では2005年から毎年さまざまな形でお祝いをしてきました。2019年のムーミンバレーパーク開園以降は屋外でのお祝いが続いていましたが、ムーミン80周年&「ムーミンの日」20回目のダブルアニバーサリーだった2025年に屋内ホールでのイベントが復活。
そして、今年2026年は会場をより広いニッショーホールに移し、大勢のファンの皆さんとお祝いできることに! 早速、当日の様子をレポートしていきましょう。
開演前のお楽しみ
開場は15時開演の2時間前、13時。なぜそんなに早いかというと、ムーミン公式オンラインショップ「MOOMIN SHOP ONLINE」の特設ショップでお買い物をする時間が必要だから! 物販についてはのちほど詳しくご紹介しますが、ファンの皆さんは音響連動ペンライトなどイベントがもっと楽しくなるアイテムをゲットして、開演を待ちわびます。

ムーミントロール登場! ソフィアからのメッセージ
ステージに、首からメダルを下げたスペシャルな装いのムーミントロールが登場! みんなペンライトを振って大喜びです。
司会は昨年と同じ菅野勇城さんと宮崎加奈子さん。今年のテーマである小説『ムーミン谷の彗星』、原作者トーベ・ヤンソンの紹介に続いて、今年はトーベの姪ソフィア・ヤンソンからメッセージが! 「毎年8月9日には、トーベが夏を過ごすクルーヴハルに親しい友人や家族が集まって盛大に誕生日のお祝いをしました。パーティーは夜遅くまで続くこともあって、夕方になるとトーベのパートナーのトゥーティが音楽をかけてくれました。トーベはダンスが大好きで、自分もその時間が大好きでした」と貴重なエピソードを明かしてくれました。

室井滋さんの朗読で『ムーミン谷の彗星』の世界へ
「朗読の時間」は昨年に引き続き、俳優、エッセイスト、富山県立高志の国文学館館長でもある室井滋さんが『ムーミン谷の彗星』の冒頭を朗読してくれました。
あたらしい道を見つけたスニフは大興奮で、ムーミントロールを誘い、ムーミンママにおべんとうを作ってもらって、探検に乗り出します。薄暗い森に怯える様子、森が開けて海に出たときの喜び、室井さんの声だけでムーミン谷の風景が目の前に一気に広がっていきます。怖がりやのスニフと冒険好きなムーミントロール、優しいムーミンママ、包容力あるナレーションの対比がお見事!

真珠を見つけるところまで読んでくださったあとは、室井さんご自身の言葉で「『ムーミン谷の彗星』は80年も前に書かれたお話ですが、今の時代にもぴったりといいますか、勇気づけられたり、ヒントをもらえたりすると思います。ちょっと忘れちゃったなという方はぜひオーディブルも聞いてみてください」と語ってくれました。

楽屋のモニターで会場の様子をご覧になって、「わたしたちも買い物したい!」と思われたそうで、客席に向かって「お買い物なさった?」と話しかけるなど、気さくで温かい人柄が伝わってきました。
注目&最新グッズ紹介
物語の世界を旅したあとは、「注目&最新グッズ」紹介。色と音の演出に、自然と手拍子が沸き起こります。
今回、2Fホールロビーにはショーケースがずらりと設置され、15社の注目アイテムや発売前の最新グッズなどが展示されていました。QRコードを読み取るとオンラインショップで購入できたり、詳細情報につながったりする仕組み。
協賛メーカーおすすめアイテムはこちらでご確認、ご購入可能です。

一例を挙げると、撮影スポットのように人気を集めていたのが、株式会社タイトーから8月下旬に発売予定のムーミン ビッグアクションフィギュア。表情をアップデートして、約10年ぶりの復刻とのこと。実物の大きさにびっくり!

ショーケース展示のなかから4社がさらに詳しい情報をステージでPR。
抽選でオリジナルグッズが当たるキャンペーン開催中の楽天からはYogiboのニョロニョロとムーミンが登場。その大きさと愛らしさに会場からどよめきが。抽選でMOOMIN SHOP楽天市場店限定デザインのてぬぐい帳のプレゼントもありました。

INOUEは伝統技術である津久井の組みひもを使用したグラスコードを抽選で、『ムーミン谷の彗星』をモチーフにしたチャーム付きのヘアゴムをなんと入場者全員にプレゼント! みんな早速、髪を結んだり、連れてきたぬいぐるみにかけてあげたりしていました。みたけ食品からはレットゥミックスとオリジナルきんちゃくの紹介とプレゼントが。
抽選でのプレゼントはほかに、サンスター文具からムーミンやしき型パッケージ入りの指人形10個セット、山加商店からAREKORE(あれこれ)SUSHI湯吞。
ベビー用の紙おむつ発売予定の株式会社恵生堂のプレゼンが続き、最後はムーミン公式ファンクラブから9月にリニューアルする新特典の初お披露目がありました。

有料会員コースへの登録・継続更新の新特典は、『ムーミン谷の彗星』の1シーンをモチーフにした立体フィギュア。なだらかな後ろ姿の曲線、アクリル素材の背景と組み合わせると挿絵を再現できちゃう仕掛け、ファンにはたまらないこだわりがつまっています。さらに、ムーミン谷の住民票カードも新登場。デジタルの時代とはいえ、電波が悪くても提示できて、手に持って眺められるカードはやっぱりうれしいもの。キラッと光る金色の箔押し、有料会員の皆さんは実物が届くのをどうぞ楽しみに!

白鳥英美子さんの歌声にひたる夢のひととき
30分の休憩をはさんで、「“音楽と言葉”の時間」。
白鳥英美子さんによる、アニメ『楽しいムーミン一家』のオープニングテーマ『夢の世界へ』。何度聴いても、何度でも何度でもずっとずっと聴いていたい夢のような歌声に思わず涙が……。
昨年のムーミンの日イベントにご登場くださった際にMCで「フィンランドでも『楽しいムーミン一家』が大人気で、夫の白鳥澄夫が手がけた音楽をオーケストラで演奏してくれることになったんです。今年(2025年)の11月にフィンランドに行ってきます」と驚きの告知があったのですが、今回はその報告がありました。
「大きな会場がいっぱいのお客さんで埋まって、オーケストラ演奏の後ろのスクリーンではずっとアニメの絵が流れていて。やっぱりフィンランドの人はムーミン愛があふれてるんだな、ムーミンが大好きなんだなと実感しました。わたしも『夢の世界へ』を歌ったのですが、日本語なのにもかかわらず皆さんちょっと口ずさむんですよね。とてもうれしかったですね」

もう1曲、エンディングテーマ『遠いあこがれ』も披露。美しいメロディー、切ない歌詞、しっとりと澄んだ歌声、スクリーンに流れる懐かしいアニメの映像、歌に合わせて色が変化するペンライトの光、会場がひとつになったひとときでした。
歌のあと、「ムーミンを大好きな皆さまがここに集まって、熱い想いがこちらにも伝わってきました。わたしの歌もこうしてファンの皆さんにずっと愛していただけてとてもうれしいので、これからも声が続くかぎり歌い続けたいと思います」と、力強いひとこと。

フィンランドでのコンサートの様子は「白鳥澄夫——平成アニメ『楽しいムーミン一家』の作曲者【本国サイトのブログから】」をどうぞ。筆者は幸運にも現地に駆けつけて鑑賞することができたのですが、英美子さんの歌声に満員の観客が没頭するさま、澄夫さんへの鳴りやまないスタンディングオベーションの様子を思い出すと今も鳥肌が立つほどです。日本で、英美子さんの歌を今年も生で堪能できて感無量です!
美村里江さん×皆川玲奈さんのガチムーミントーク
朗読、歌と、ムーミンの世界にひたったイベント、最後の目玉は美村里江さんと皆川玲奈さんのトークです。
俳優、エッセイストで、筋金入りのムーミンファンとして知られる美村里江さん、進行はプライベートでフィンランドに行ったことがあり、昨年はヘルシンキのアラビアショップから中継もしたという、こららもムーミン大好きのTBSアナウンサー皆川玲奈さんの夢の顔合わせ。ちなみに皆川さんの推しキャラはムーミンママだそう。

まず、登場するやいなや、「ゲストとご紹介いただいたのですが、実はわたしはただの付き添いでして」と言い出した美村さん。「スペシャルゲストはこちら」と茶目っ気たっぷりに取り出したのは、2011年発売のフリフリマスコット!!! しかも特別なアクセサリーのカスタマイズ付き。「グッズはかわいすぎて増やすときりがないので厳選している」という美村さんがふだん神棚に飾っているのがこのご先祖さま、さすがすぎます。

写真:ムーミン公式 提供
ムーミン愛あふれるおふたりの濃いトーク、まずはミムラねえさんに由来するというデビュー時の芸名「ミムラ」のお話から。
「高校時代にスカウトされてカットモデルから始めて、最初は本名だったのですが、友だちに知られると恥ずかしい。そこで事務所にいくつか芸名の候補を伝えたんですが、珍妙すぎると却下されまして(笑)。そのなかで、“ミムラ”は画数がいいとのことで、2003年にデビューしてから15年ぐらい使わせてもらいました。当時はあまり女性らしくないほうだったので、ミムラねえさんの髪をとかすのが好き、ダンスが好き、おおらかなところに憧れて、あやかりたいな、と。でも、ムーミン人気の高まりとともにミムラねえさんの知名度がだんだん上がっていくにつれて、拝借して申し訳ないな、いつかお返ししないとなと思っていて、2018年に今の美村里江にしました」(美村さん)
『ムーミン谷の彗星』にみる、勇気、孤独
今年のテーマである小説『ムーミン谷の彗星』についても熱い話が飛び交いました。
「彗星が近づいてムーミントロールとスニフが不安でいっぱいになったとき、大丈夫よって言うんじゃなくて、だったら真っ向からぶつかればいい、天文台に行って本質をちゃんと見ておいで、とふたりだけで旅に行かせるんですね」(美村さん)
「日本だと、家族みんなで行くか、大人だけで行く、ってなりますよね。子どもたちが自分の目で見に行くというアクションが素晴らしい」(皆川さん)
「もうひとつ印象的なのは、切羽詰まったときにムーミントロールはムーミンパパだったらこうなのにムーミンママだったらこうしてくれるのにと、早く家に帰りたいなと思うんです。家族、我が家の安心感と、そうではない自分の時間が対比として描かれているところです」(美村さん)
「あと、このお話ではスナフキンのカッコよさが炸裂しています。生きる術をすべて知っていますから。海が干上がって、素早く移動しようと竹馬に乗るのですが、それもスナフキンの経験から出てきたアイディア」(皆川さん)
「スナフキンは、不安がってもしょうがない、荷物が重いなら捨てちゃえばいいと、基本、楽観的なんですよね。でも、命に関わる場面では、“気をつけろ!”と怒鳴る描写もあります。また、ムーミンの小説では、睡眠不足と空腹はとにかくいかん、休息と栄養補給は欠かせないという、児童文学では抜かしちゃいそうなことも伝えてくれるんです。今回は特に危険度の高い冒険ですから、緊張のあとには緩和があって、何か食べて落ちつく、とか」(美村さん)
ムーミンの物語に通底する、「勇気」「孤独」についても美村さんならではのご意見が。
「勇気って、おそろしい食肉植物や怪獣に立ち向かう勇気だけじゃなくて、例えば仕事を断る、乗り気じゃない誘いを断る、なんて場合もあるんじゃないかと思います。“みんなでやろう”精神に疲れちゃっている人は一回、独りのゾーンに降りる勇気。みんなで和気あいあい、それも素敵なんですが、北欧では学校でうまくいかない子どもに親がなんてアドバイスするかというと、学校ではまずは勉強をして、孤独のなかで自己を確立して、自分はこういう生きものなんだってわかってから友だちを作っても遅くない、って言うんですって。ムーミンのお話では、独りの美しさ、素晴らしさが表現されていますが、もう一方で、彗星はひとりぼっちで正気を失ったとか、じゃこうねずみはひとりぐらしが長かったから言いたいことをそのまま口に出してしまうとか、モランの存在もそうですが、独りでいつづけた弊害も描いています。自分が選んで味わう独りはいい、ただ意図せずに長く独りでいすぎるのはあまりよくないかも、ということもトーベ・ヤンソンは言っているんですね」(美村さん)
あっという間に約20分が経過、「まだまだ3時間ぐらい喋れます」と笑いながら、美村さんは「小説を読んだことがある方は?」と会場に問いかけました。そして、「グッズはかわいい、アニメもとっても素敵、なんですけど、全部が小説に詰まってますから! 毎年、全巻を読み直すんですが、何度読んでも驚きが止まりません。ぜひ小説を読んで、トーベとムーミン谷のみんなから人生哲学をいただいて、楽しく健やかな日々を過ごしていただければと思います」と締めくくってくれました。
皆川さんからは「本日のトークは『爆笑問題の日曜サンデー』のポッドキャストで配信されます。原作を読んで、トークを繰り返し聞いていただければ」とのうれしい告知が。ここでご紹介した5倍ぐらい濃い内容でしたので、各種配信プラットフォームやYouTubeなどでぜひ。9月20日までの限定配信ですからお聞き逃しなく!

さらに全国ムーミンスポット最新情報とプレゼント
すでに大充実、大満足ですが、イベントはまだ続きます。「全国のムーミン公式スポット最新情報」では、情報解禁となったばかりのサプライズ情報が飛び出しました。
「ムーミンショップ カジュアルエディション」が福岡博多・天神地下街に2026年初冬、「ムーミンショップ フクオカ」が博多・キャナルシティオーパに2026年秋頃オープン! ムーミンショップは九州エリア初出店とのこと。
ムーミンカフェ軽井沢、ムーミンカフェスタンド、ムーミンバレーパークからも抽選でプレゼントがあって、会場は大盛り上がりでした。各スポットの情報はこちらをどうぞ。

みんなで歌ってクライマックスへ
最後に、再び白鳥英美子さんとムーミントロールが登場。「みんなで歌いましょう」とリードしてくださって、『夢の世界へ』を口ずさみながら、幸せな時間の終わりをかみしめました。

ムーミントロールとの特別なグリーティング
G席のお客さまだけの特別なお楽しみはグリーティング。ステージ上でムーミントロールを独り占めして、記念撮影と交流をたっぷり楽しむことができました。

MOOMIN SHOP ONLINE特設ショップ
イベント終了後も特設ショップは19時まで営業。思い残すことなく、ゆっくりとお買い物をエンジョイできました。

オンラインショップの取り扱い商品も会場先行販売品があったり、実物を手に取って確かめることができたりするのがありがたい。夏の新シリーズ「デイドリーミング イン ムーミンバレー」グッズはやはり人気で、今年新発売のスタッフと同じブルーのTシャツを買って着替えている方もいらっしゃいました。

ムーミンやしきのフォトスポット
ホールロビーには大きなムーミンやしきが! 中をのぞき込んだり、記念撮影をしたり、まるで本当のムーミンやしきみたいに賑わっていました。

イベント限定の来場者特典も
こちらは来場特典として配られたアイテムの一部。座席の種類によって中身は異なりますが、『ムーミン谷の彗星』のアートを使用したイベント限定コンパクトデイリーバッグと、たくさんの資料は全席共通。スタートしたばかりの新しい読みもの「ムーミンジャーナル」は読みごたえがありました。事前に特典として記載されていた以外にも、子どもたちが描いたクリアファイルと鉛筆、ヘアゴム、フリクションスタンプなども入っていてお得感にびっくり。
また、8月31日まで、電子チケットアプリにてアンケートを実施中。回答すると、「ムーミンの日スペシャルイベント限定 壁紙」がゲットできます!

美村さんのお話を聞いていて改めて思ったのですが、おひとり参加が多かったのが、個人的にとても印象的でした。お気に入りの洋服を着て、グッズやぬいぐるみをカバンや髪に飾って、ご自身のムーミンへの想いを全身で表現。隣り合った方と言葉を交わすもよし、交わさないもよし、まさにムーミン的な空間で、とても居心地がよかったです。また、来場者だけでなく、おそろいのTシャツに身を包んだスタッフも、ピンズやサコッシュなどあちこちに私物と思われるアイテムを身につけている方がほとんど。ムーミンの日をお祝いしたいと集まったみんなで一体となって旅したような、勇気づけられるひとときでした。来年はもっともっとたくさんのファンの皆さんとお会いできますように!
文と写真/萩原まみ(text&photo by Mami Hagiwara)
#ムーミン春夏秋冬 #ムーミンの日