ムーミンの日2025【イベントレポート】【ムーミン春夏秋冬】

ムーミン80周年ムーミンの日20回目のダブルアニバーサリーで盛り上がった2025年8月9日。ムーミン公式ファンクラブ有料会員の応募者のなかから抽選で選ばれたラッキーな皆さんをお招きして、スペシャルイベントが開催されました! オンラインでライブ配信されたほか、アーカイブ(終了)もありましたので、当日ご都合のつかなかった方や遠くにお住まいの方にも楽しんでいただけたのではないでしょうか。今回のブログ「ムーミン春夏秋冬」では、夢のようなひとときのレポートをお届けします。

ムーミンがお出迎え!

会場となったのは東京都渋谷区某所。エレベーターの扉が開くと、なんとムーミントロールがお出迎え(タイミングによって会えなかった方はごめんなさい)。
集まってくれたムーミンファンの皆さんは、ムーミン柄のお洋服やバッグ、レアなグッズを身につけていたり、キャラクターをイメージしたコーデだったり、お気に入りのキャラクターを連れていたり、なかにはムーミンの日のTシャツや「トーベとムーミン展」限定Tシャツ&トートバッグの方もいて、ムーミントロールもスタッフも大喜び!

受付で手渡されたお土産セットにもムーミンの日のアートが。

ホワイエにはムーミンやしきの扉やムーミン谷の仲間たちのフォトスポットが設置され、自由に撮影することができました。

両サイドにキャラクターたちがズラリ。スナフキンリトルミイだけでなく、フィリフヨンカトフスランとビフスランまでいますよ。

 

特設ショップで特別なお買い物も!

会場には「MOOMIN SHOP ONLINE 特設ショップ」がオープン。毎年人気のムーミンの日どらやき、新商品の榮太樓總本鋪のひとくち煉羊羹、Tシャツなど、オンラインでは完売した商品を含む選りすぐりのラインナップに長い列が。
とりわけ大人気だったのがムーミンの日ペンライト。14色から好きな色に設定できるほか、音響連動機能付きで音楽や演出に応じて自動的に色が変化するすごいアイテムで、イベントを盛り上げるのに一役買ってくれました!

限定デザインのオリジナルトートバッグプレゼントもあって、お財布の紐がついつい緩んじゃう~。


 

特別感漂うステージセット

今年で20回目を迎えるムーミンの日のイベント。「ムーミンの日って?」によると、2005年に新宿紀伊國屋ホールで行われた「ムーミン誕生60周年の集い」には300人のファンが来場したとか。2007年からの記録はこちらにリンクがありますが、2019年にムーミンバレーパークが開園して以来、室内ホールでプログラムを楽しむ形式ではなく、みんなでお祝いするパーティーのようなイベントが続いていたので、全席指定のホールで開催されるのは久しぶりです。 

ステージには、出版から80周年を迎えたムーミン小説第一作『小さなトロールと大きな洪水』の表紙をモチーフにしたセットが組まれていました。

いよいよ開演!

客電が落ちると、ステージに現れたのはムーミントロール。クラシック・ムーミン童話『ムーミン谷のおはなし』の絵を背景に、ムーミントロールがムーミン谷とはどんなに素晴らしいところなのか語り、一気に物語の世界へとワープ!


写真:ムーミン公式 提供

続いて登場したのは、司会の菅野勇城さんと宮崎加奈子さん。背後のスクリーンに写真や絵を投影しつつ、テンポよく、トーベ・ヤンソンの生涯ムーミンの歴史などを紐解いていきます。

そして、一人目のスペシャルゲストは女優でエッセイストとしてもご活躍の室井滋さん。

写真:ムーミン公式 提供

赤いスカートと、高い位置で結んだ髪が愛らしいミムラたちみたいないでたちで、『小さなトロールと大きな洪水』を冒頭から朗読してくださいました。しっとりと深みのある語り、穏やかで優しいムーミンママ、元気なムーミントロール、怖がりやのスニフと、巧みな演じ分けで観客をぐいぐいと引き込んでいきます。

写真:ムーミン公式 提供

ムーミントロールとムーミンママはムーミンパパを探す途中、スニフ、チューリッパと出会い、旅を続けることに。ムーミンママはかつてタイルストーブの後ろに住んでいた頃のこと、つまりムーミンたちのルーツについて語って聞かせます。……このあたりで、朗読はおしまい(余談ですが、4人がひとやすみしている挿絵はアラビア ムーミンズデイマグ 2025にも使われています)。
室井さんからは「途中までしか朗読できなくて残念です。皆さんご存知かもしれませんが、この後、ムーミンパパを探す旅が続きます。大変なことがありつつも、いろんな出会いから希望をもらって、最後はハッピーエンドなのでどうぞご安心ください。人生はいろいろなことが起こるけど、楽しいことがいっぱいあるよね、そういう道しるべになるような、勇気をいただける素晴らしい小説だと思います」とのご感想が。また、「こちらから拝見していると、皆さんの持っているペンライトがいろんな色になるんですよ、いっしょに朗読させてもらっているような気持ちでした」という温かなコメントで締めくくってくれました。

難問続出?! ムーミンクイズ

ここで、雰囲気一転、司会のおふたりからムーミンクイズが出題されました。これがなかなかの難問でとても盛り上がったので、いくつかピックアップしてみます。ぜひ、答えを考えてみてください!
第一問は「ムーミン族はお腹が弱い生きものです。ムーミントロールが旅に出るときにムーミンママに持たされたものは?」

ムーミンママといえばハンドバッグにさまざまなものを入れ、旅の荷物が多いことで知られます。会場の皆さんも考えすぎてしまったのか、なかなか手が上がらず。
これは『ムーミン谷の彗星』に出てくる、ムーミントロールとスニフが天文台へと旅立つ場面で、正解は「ウールのズボンとおなかの薬」。ですが、挿絵からもわかるとおり、ムーミンママが準備したのはそれだけではありません。サンドイッチ、セーター二枚、パンケーキ用のフライパン、コンパスにお皿などなど。原作をご存知の方こそ、答えるのが難しかったかもしれません。

次も、『ムーミン谷の彗星』から。「ムーミントロールはやったけど、スニフはやらなかったことは?」

会場からは「真珠を拾うこと」という回答が。正解は「海にもぐること」でしたが、スニフを置いてひとりで海にもぐったムーミントロールは白くて丸いきれいな石をたくさん見つけます。「真珠を拾うこと」も正解ですよね、きっと。

難問はまだまだ続きます。『ムーミン谷の仲間たち』収録の名短編『目に見えない子』。おばさんから冷たい仕打ちを受けて姿が見えなくなり、ムーミンやしきに滞在することになった女の子「ニンニが最初にしゃべる言葉は?」

会場からの答えは「やめて」「ママ、危ない」。ムーミンバレーパークで大人気のライブエンターテイメントショー「勇気を知った少女 ~ムーミン谷の仲間たちより~」が強く印象に残っていたのかも?
正解は「ほんとうに、ありがとうございます」。
ニンニがムーミンやしきにやってきて間もない頃、やっと足のあたりとうすよごれた茶色の服が見え始めます。それを目にしたムーミンママは赤いショールで小さなワンピースとリボンをこしらえました。翌朝、顔以外は見えてきたニンニが、小鳥のような声で告げたのが「ほんとうに、ありがとうございます」。まだ自分の感情は取り戻せていないのに、礼儀正しくお礼を口にした様子を想像すると切なくなりますね。その後、どうやって大きな声で怒ることができるようになったのか、ぜひ『ムーミン谷の仲間たち』を読んでみてください。

最後の問題は「『ムーミンパパの思い出』登場するスナフキンの父ヨクサルが何度か言う言葉はなんでしょう。ヒントは ● 」。

司会から「声を合わせて言ってみましょう!」との呼びかけがあって、会場から聞こえてきたのは「ひょひょ」「じぇじぇ」「そぅさな」など。正解はなんと「ふっへっ」。
読んだはずでも覚えていないことはたくさんあるもので、これを機に、新版に切り替わった講談社文庫を読み返してみたいなと思いました。

ムーミン最新情報もりだくさん!

続いて、日本全国にあるショップやカフェなどの基本情報から最新の話題まで、「今から行ける!ムーミンスポット」(サイトでは基本情報はこちら、最新ニュースはこちら)。

ムーミンファンクラブの紹介では、有料会員コースの新特典が初お披露目されました。細くて長めの鼻が特徴の、ムーミンの原点がフィギュアに! できたてほやほやの試作品が登場すると、会場にどよめきが起こりました。

ここで15分間の休憩。これは開場前に撮った写真ですが、特典第一弾だったフラワームーミンぬいぐるみの隣にちらっと写っているのが、新特典です。

白鳥英美子さんの歌声に感動

ついに、二人目のスペシャルゲスト白鳥英美子さんの登場です。1990年から放送され、世界中で親しまれているアニメ『楽しいムーミン一家』。そのオープニングテーマ『夢の世界へ』とエンディングテーマ『遠いあこがれ』を生で披露してくださいました。
当時と変わらぬ澄みきった歌声が会場を包み込み、まさに夢の世界、ムーミン谷へ!
司会のおふたりをはじめ、このアニメでムーミンに初めて触れたという方も多く、目を潤ませる姿も。

MOOMIN×kippisのワンピースにリトルミイたちが見え隠れするストールの爽やかな装いがとても素敵な白鳥さん。歌のあとのトークでは、来日したトーベと会う機会があり、「『歌はどうでしたか?』と聞いたら、『とっても好きです』と言ってくださって、歌っていてよかったなって思ったことを今でも強く覚えています」と、貴重なエピソードを披露。白鳥さんはテーマ曲の歌唱だけでなく、本編のナレーションも担当し、その柔らかな声が作品の雰囲気を決定づけたと言っても過言ではないほどの存在。好きなキャラクターとエピソードを問われると「ムーミンもお茶目でかわいいリトルミイもみんな大好き。いちばん最初のシーンで、雪が音楽に合わせてちらちらと降っていて、 ムーミンたちが冬眠から目覚めるところが印象に残っています」。
そして、「もう30年以上たっているんですけれど、フィンランドでもこの日本で作られたアニメーションが大人気になりまして、夫の白鳥澄夫が手がけた音楽をオーケストラで演奏してくれることになったんです。びっくりしちゃって、そんなすごいことがあるんですか、って。それでフィンランドに招かれまして、今年の11月に行ってきます。帰ってきたらまた皆さんにご報告する機会があるかもしれませんので、楽しみになさってください」という驚きのニュースが。森下圭子さんのブログ「フィンランドムーミン便り」によれば、このコンサートのチケットはあっという間に完売したとのこと。日本では「楽しいムーミン一家 オリジナル・サウンドトラック ベスト」の配信が始まり、懐かしい楽曲の数々を気軽に聴けるようになりました。

豪華プレゼント~感動のエンディング

最後のお楽しみはプレゼントコーナー。豪華賞品の数々が、会場を訪れたファンのなかから89番目に入場した方、ペンライトをいっぱい振ってくれた方、電話帳サイズのムーミンを連れてきてくれた方などに贈られました。配信からもエントリー可で、たくさんのチャンスが用意されていたのもうれしいポイントですね。
ここで終了かと思いきや、再びムーミントロールが登場してのエンディングへ。そして、まさかの白鳥英美子さんのアンコール歌唱が! 永遠に聞き惚れていたい『夢の世界へ』を、ムーミントロールの隣で歌ってくださるとはなんという贅沢なひとときでしょうか。白鳥さんからは「次回は、さぁおいで~というところを覚えていっしょに歌いましょう」と、ありがたいご提案がありましたが、もちろん歌詞もメロディも胸に刻まれているし、心のなかで大合唱♪でしたよね!

撮影&スクショタイム。ムーミンの日アートと金色の紙吹雪が降り注ぎ、会場の盛り上がりは最高潮に。

写真:ムーミン公式 提供

ぎっしりと内容が詰まった約2時間のイベント。配信でも楽しさが十分に伝わってきましたが、会場で生の朗読や歌を聴くことができて感無量でした。来年はぜひ参加したい!という方はムーミン公式ファンクラブをチェックして、特典満載の有料会員になってお待ちくださいね。
ムーミンの日は終わってしまいましたが、ムーミン80周年はまだまだ続きます。これから発売になる新しいグッズやイベントについては順次、公式サイトオンラインショップでお知らせしていきますので、どうぞお見逃しなく!

文と写真/萩原まみ(text&photo by Mami Hagiwara)