このキャラは誰?【ムーミンクイズ】

本日77日は七夕
ムーミンのお話に七夕は出てきませんが、恋人たちがすれ違うエピソードといえばムーミン・コミックス『恋するムーミン』が浮かんできます。
過去ブログに「ムーミン谷の織姫と彦星!?」 なんて記事もありましたので、ぜひ読んでみてください。

さて、今回はムーミンクイズ形式のブログをお届けします。
豆知識として覚えておくと、ちょっと自慢できちゃうかも!?

傘をさしているのは?

まず、前述の『恋するムーミン』1コマを元にしたこの絵、レイン用品をはじめさまざまなグッズでおなじみですよね。

このキャラクターは誰でしょう?

いちばんの特徴である前髪が傘に隠れてしまっていますが、後ろ側の足をよーく見るとアンクレットが(カラーだとわかりやすすぎ?)
そう、ムーミントロールではなく、スノークのおじょうさんなんです。

二番目のコマのように後ろ姿だと区別がつきづらいですが、たいていは前髪とアンクレットやかわいらしい表情で見分けることができます。

そっくりなミムラ姉妹

続いて、中級編。
よく間違えられるキャラクターに、リトルミイミムラねえさんがいます。
姉妹ですから、似ているのは当然。でも、れっきとした別人です。

では、次の絵はどっち?

小説『ムーミン谷の夏まつり』で、劇場に移り住んだものの、ムーミントロールとスノークのおじょうさん、ミイが離ればなれになってしまいます。再会を願ってムーミンパパは芝居の脚本に着手しますが、なかなかうまくいかない、そんな場面の挿絵です。

つまり、このとき、ミイはその場にいませんから、これはミムラねえさんだということになります。

しかし、ミムラねえさんが同作で着ているのは袖の黒い服(左はミーサ)。

一方、ミイはこんな感じ。

簡略化して描いたミムラねえさんなのか、もしかしたら挿絵ではなくイメージカットのような絵だったのか……?
正解は保留、ということにしておきましょう。

では、こちらは誰でしょう?

リトルミイと勘違いされやすいのですが、コミックス『イチジク茂みのへっぽこ博士』ミムラ(ミムラねえさん)です。

難問! ロッドユール親子

最後に、まぎらわしい部門ナンバーワンの親子、このキャラクターの名前は?

先ほどと同じ、コミックス『イチジク茂みのへっぽこ博士』に出てくるキャラクターです(隣にいるのは、後に結婚することになるスクルッタ)

冒頭にはこんなやりとりが。

落ちていたボタンをたどって、ムーミントロールはクロットユールと知り合います。
ムーミンパパが「昔の友だち、ロッドユールにそっくりだ」と言うと、クロットユールは「それはぼくのお父さんです」と写真を出して見せました。

そのロッドユールは小説『ムーミンパパの思い出』だけに登場する、ムーミンパパの若き日の冒険仲間。

これは結婚式のシーンなので、頭にかぶった鍋の取っ手に花を挿しておめかしをしています。
隣にいるのは新婦のソースユール。ふたりはその後、スニフの親になります。

コミックスにもスニフは登場しますが、スニフとクロットユールの関係ははっきり描かれていません。

絵を見比べてみると、ロッドユールにはしっぽとヒゲがありますね。
ただ、『ムーミンパパの思い出』はムーミンパパの回想録であり、他の巻とは異なる描写がいくつかあって、ミムラねえさんやミイの絵にもしっぽがある()ので、その点はあまり重視しないほうがよさそうです。

では、こちらは……?

塗り絵のために新たにデザインされたこのイラストの元になったのは、トーベが描いたクロモス
ストーリーとは切り離されているので、父ロッドユールなのか息子クロットユールなのか断定が難しいところ。
片手鍋ではなく両手鍋を被っているのが特徴で、アラビアのロッドユールマグの正面にも使われていましたね。

大活躍のクロットユール

ちなみに、クロットユールとロッドユールというのはスウェーデン語の名前。
英語だとクロットユールはFuddler(=酔っぱらい)、ロッドユールはMuddler(=飲み物をかき混ぜるのに使う棒、でたらめな人という意味もある)ですが、フィンランド語ではどちらもHosuli

こちらのロッドユールの紹介に使われているのも、発売中のアルファベットコレクションマグV(ロッドユール)とされているのもコミックスのクロットユールの絵です。

突きつめて考え始めると、まるで、おっちょこちょいでとっちらかったロッドユール/クロットユール親子みたいに、混乱してしまいますね。
そういえば、ムーミン研究家の森下圭子さんのブログ「真偽の分からぬ婚約者」にはロッドユールのモデルかもしれない人物の話がありました。
謎が多く、想像や推理の余地があるからこそ、ムーミンには尽きない魅力があるといえるのかもしれません。

文/萩原まみ(text by Mami Hagiwara