地球は青かった?

昨日4月12日という日は、人類全体にとって大きな意味をもつ一日であったということを、皆さんご存知でしたでしょうか? この日は「世界宇宙旅行の日」と定められ、今でも世界中で様々な催しが行われているとか。そうなんです! 1961年4月12日とは、ボストーク1号に搭乗した旧ソ連の宇宙飛行士ユーリイ・ガガーリンによって、人類初の宇宙飛行という偉業が成し遂げられた日なのです!!
「地球は青かった」という彼の言葉はあまりにも有名すぎますが、実際はそんな言い方はしていなくて「空は非常に暗かった。一方、地球は青みがかっていた」が正しい日本語訳だという説も。しかしここで一つ確かなことは、たしかにガガーリンこそが初めて宇宙へ行った人類であり、地球が青いということをその目で見てきた人物であるということ。そして事実、当時の旧ソ連の幹部たちでさえも、まさか宇宙へ旅立ったガガーリンが無事に地球へ帰還できるとは思いもよらなかったとかいう裏話もあるくらいなのだから、まさにおそロシアと言ったところ??(しゃれかい!by 新金庫番)

さてこちらは伝説の宇宙飛行士ユーリイ・ガガーリンでこそないものの、『ムーミン谷の彗星』(講談社/ 下村隆一訳)には我らがムーミン谷の仲間スニフが、天文台の望遠鏡から初めて宇宙を見たときの描写があります。

地球がほろびるとじゃこうネズミから聞かされて、不安で仕方なくなってしまったムーミンとスニフ。それならばいっそのことちゃんと自分の目で確認してくるのが良いだろうというムーミンママとムーミンパパの機転によって、天文台へ出かけることとなったのでした(前回のブログを参照)。そして途中スナフキンと出逢ったムーミンたちは、長い旅を経てようやく天文台に辿りつくのです。
世間から隔絶された土地において「星だけを相手に」熱心に研究へ励む学者たち。丸屋根がついた天文台の建物には、七色のガラス玉でできた美しい装飾が宇宙に浮かぶ天体を表すかのように、ゆっくりと回っています。まさにユートピアとでもいったような雰囲気。。。そんな天文台にて、世界最大の天体望遠鏡をのぞかせてもらえることになったスニフ。なんと小さな動物の中で、第一号のことなのでした。

宇宙は、黒いんだなあ。ほんとに、まっ黒だ。』
と、スニフはつぶやきました。こわくて、身の毛がよだちました。その黒い宇宙の中に、大きな星がいくつも、まるでいきているように、息をしていました。
じゃこうねずみがいったように、どれもこれも大きくて、しかも、その星たちのまん中に、おそろしい目のような赤いものが、光っているのです。」

初めて宇宙というものを見たスニフの、畏敬の念のようなものが率直に表現されています。
そしてようやく自分で目にしてみて分かった、無限の暗黒がひたすらに広がる宇宙と、地球に迫りくる彗星への恐怖心。漠然としか分かっていなかった「地球がほろびる」というじゃこうねずみの言葉は、実際に宇宙というものを知ったことによって、いよいよ現実味を帯びたものとなってくるのです。スニフは皆のもとへかえると得意げになって言います。

「『黒かった。まっ黒だった。』
とどなりました。
中略)
『もちろん、宇宙がだよ。そしてさ、彗星は赤くて、しっぽがうしろについているんだ。八月七日の午後八時四十二分に、地球と衝突するはずだ。(後略)』」

今週は人類初の宇宙飛行をテーマに、天文台にて初めて宇宙を見たスニフの場面をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか? 地球が青く宇宙が黒いことは、宇宙に何度も人間が行けるようになって、世界中で人工衛星が飛ばされるようになった現代では、もはや誰もが知っている常識ですよね。でもムーミンたちがわざわざ長い旅を経て、ようやく天文台に辿りつき、その目で宇宙とは何であるかを確かめたように、人類も長い時間をかけて、更には多くの命の犠牲も払いながら、一歩また一歩と宇宙へ近づいてきたのでしょう。そう考えると人類の宇宙へ対する探究心には、普遍性さえ感じますね。まだ誰も知らない遠くの世界へ行ってみたい、それは人間に共通する自然な欲求の一つなのかもしれません。(弱虫スニフにもあるんですからね!)それでは今週はこの辺で、また来週にお会いしましょう~☆

(アイキャッチの画像は、アラビア陶器の新シリーズ、獲物を目指して月からやってくる飛行おにがお皿に描かれています。こちらのムーミンニュースでも、ご紹介しています~。 by 新金庫番)