(148)ムーミンショップの20年
フィンランドにムーミンショップが誕生して、今年がちょうど20年。もともとキャラクターグッズを町で見かけることがあまりない国で、ムーミングッズだけの店がある!というのは不思議な感じすらあった。最初の店舗はとても小さくて、人が3人も入ればいっぱいだった。
やがて子どもの頃からムーミンに親しんだ人たちが大人になると、大人向けのムーミングッズやデザインにも変化が見られ、あれよあれよという間にグッズの種類は増えていき、ムーミンショップにやっていく客層も広がっていった。
ムーミンショップ20年という記念の今年、フィンランド国内にあるムーミンショップの数は、3店舗から7店舗にまで増えた。ヘルシンキ・ヴァンター空港に空港2号店(シェンゲン領域外エリア)が、トゥルク市に1店舗、今月に入ってからはヘルシンキの書店に、さらに路面店と次々オープンした。それぞれで品揃えを変えているだけでなく、今年オープンの店舗は店ごとに一冊のムーミン本がモチーフになった。『それからどうなるの?』、『目にみえない子(ムーミン谷の仲間たち)』、『さびしがりやのクニット』、『小さなトロールと大きな洪水』が、それぞれの店に使われている。絵本の世界に入ったようなデザインだったり、書籍に使われている色をベースにした店内、壁には挿絵の複製がさりげなく飾られていたりする。
フィンランドのムーミンショップは買い物だけでなく、自分のムーミン愛やムーミンにまつわるエピソードを語り合える場所でもある。一冊のムーミン本の世界が広がる店内。つい見知らぬ誰かにまで、ムーミンの思い出を話してしまいそうだ。そんな中で手にする品物は、それが自分のためであれ誰かへの贈り物であれ、いつもより思いのこもった買い物になるような気がする。
フィンランドにあるムーミンショップ
ヘルシンキ
-
Moomin Shop Forum/Mannerheimintie 20
-
Moomin Shop Itis /Itäkatu 1
-
Moomin Shop in Shop, The Academic Book Store /Keskuskatu 1
-
Moomin Shop Lasipalatsi /Mannerheimintie 22-24
ヘルシンキ・ヴァンター空港
-
Moomin Shop Airport /Gate 26, Schengen area
-
Moomin Shop Airport /Aukio, Non-schengen area
トゥルク
-
Moomin shop Hansa /Aurakatu 7-9
森下圭子