海とムーミンパパ

もうすぐ「海の日」ですね。皆さんこんにちは、森番です。来週月曜日は国民の祝日ということで、今週末からの三連休を楽しみにされていた方も多いのではないでしょうか?
そんな「海の日」は内閣府ホームページによると「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」日であるとのこと。そのように改めて言葉にしてみると、いかに私たち日本人の生活が、太古の昔から「海」と共にあるかということを、実感させられますね。今や世界中で大人気の日本食「お寿司」にしたって、四方を海に囲まれ、いつでも新鮮な魚のとれる日本であるからこそ、生まれた文化の一つであるといえるかもしれません。。。

ところで皆さんはムーミン物語中に、「海」に熱いロマンを抱きつづける「海の男」がいるということをご存知でしたでしょうか? それはもちろん言うまでもなく、ムーミン谷一の冒険家「ムーミンパパ」です!! ムーミンパパが海を一つのきかっけに孤児院を抜け出し、冒険家としての一歩を踏み出したお話は、以前のブログでもお話しさせていただきましたね。そしてそれ以来「海」というものはいつだって、ムーミンパパにとって特別な存在でありつづけるのです。

『ムーミンパパ海へいく』(講談社/ 小野寺百合子訳)にも、そんなムーミンパパの海に対する熱い想いがよく分かる場面が登場します。ムーミン一家の家長としてのプライドが少し強すぎる、ムーミンパパ。色んな不満がつのり、ついにムーミンママや家族と上手くいかなくなってきてしまいます。そのような状況下で心機一転、灯台のある小さな島での新しい生活を始めることを決意した、ムーミン一家。途中、島の目印となる光る灯台が見当たらないというトラブルがありつつも、何とか夜中に島へと到着します。そしてようやく朝を迎えると、そこにはたしかにムーミンパパが想像していたよりもはるかに大きな黒い灯台が、岩の上にそびえ立っているのでした。

(前略)ムーミンパパはさけびました。
「(前略)このむこうには、だれも住んでいないんだ。海のほかにはなにもないのさ。われわれは、いわば海に面とむかっているんだ。(中略)すばらしいじゃないか。そう思わないかい。」
「うん、すばらしいね。パパ。」
と、ムーミントロールもさけびました。

その後、閉まりきっていた灯台の鍵を、偶然にも大きな岩のさけめに見つけたムーミンパパ。
そうして晴れて灯台の持ち主となったムーミンパパは、ついに一家と共に灯台の内部へと入り、灯台守としての役割を果たすべく奮闘します。

「なにかわからないことがあったら、いつでもわたしにきかにゃいかんよ――-海に関することは、なんだってわしは知っているんだから。(後略)」

すっかり島での新しい生活に、張り切ってしまうムーミンパパ。更には、大きな岩をごろごろと海の中へと転がして、防波堤づくりまで始めます。そしてそんな作業をしながら、ムーミンパパは「自分がとても強い人間」に思えて、大満足するのでした。ムーミンパパは言います。

「(前略)防波堤は強くなくちゃいかん。―――だからそれをつくるのは、海をよく知っているものでなくちゃならんて・・・・・・。」


ところが、いつも一所懸命なムーミンパパががんばれば頑張るほど、愛する家族の、家長への期待が集まっているときには、網にかかるのは海草ばかりで魚は取れず、それが、長い島暮らしでようやく漁に慣れてきたころには、そんなに魚ばかり食べてられない、という家族からの正直なコメントが・・・。
でも、頑張るパパには、海がとっても似合うのでした。(by 新金庫番)

今週は「海の日」ということで、ムーミンパパと海をメインにお話しさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか? 今回はまさに、海の男としてのムーミンパパのプライドが垣間見えた回でしたね。もしかすると海というものには、ムーミンパパからも分かるように、何か私たちの冒険心や少年の心をくすぐって止まない何かがあるのかもしれません。。。それでは今週はこの辺で、皆さまもよい連休をお過ごしください~♪

それでは最後に、新金庫番から「ムーミン谷とウィンターワンダーラン ド」Blu-ray&DVDに寄せたインタビュー記事についてのお知らせです。

は~い、最後に新金庫番です。評論サイト「リアルサウンド」に『ムーミン谷とウィンターワンダーラン ド』の映画評インタビュー記事が掲載されました。インタビューに答えていただいた志磨遼平さんは、自身のメンタリティーとムーミン谷が合致した、とご本人がおっしゃるように、この映画で初めて原作の色濃いムーミンの物語に触れたのにもかかわらず、既にムーミン谷の住人のようなのです。ご本人も魅力的ですが、映画評がまた、とても魅力的なので、ぜひご紹介したいと思いました。ご興味のあるかたは、こちらから、ご一読ください~。ではまた来週まで、アディオ~ス!