ムーミンの彼女の名前は?

昨日2月14日はバレンタインデーでした。好きな人にチョコレートをあげたり、もらったり、楽しく過ごせましたでしょうか。バレンタインはフィンランドでは友だちの日ですが、日本では女性から男性にチョコレートを贈る日恋人たちのイベントとして定着していますね。

ムーミン谷のラブラブカップルといえば、主人公のムーミントロールと……ガールフレンドの名前って何でしたっけ!?

実は彼女には、固有の名前がありません原作小説では「スノークのおじょうさん」と呼ばれています。スノークというのは種族名ですから、彼女を表す“スノーク族の娘”という意味の言葉は、たとえば“日本人の女の子”のようなニュアンス。これは彼女に限ったことではなく、ムーミンシリーズの登場人物たちの多くは、個人名ではなく、種族名か、「種族名+属性」が名前になっています。たとえば、ムーミンパパは“ムーミン族のお父さん”で、ムーミンママは“ムーミン族のお母さん”です。

スノークのおじょうさんは日本語版のコミックスでは「スノークの女の子」と訳されていますし、英語名で「スノークメイデン」と表記されているグッズもあります。

原作小説『ムーミン谷の夏まつり』に登場するムーミントロールとスノークのおじょうさん。

 

さて、あなたの頭にパッと浮かんだ答えは何だったでしょうか?

ノンノン」と答えたあなた。さては昭和世代ですね!? 1969年に日本で放送された昭和版アニメ『ムーミン』(フジテレビ系)では、彼女はノンノンと呼ばれていました。演出家の大隅正秋(おおすみ正秋)さんからお聞きした話によると、アフレコの際、原作のままのスノークのおじょうさんでは番組を見た子どもたちが気軽に呼びかけづらいということで、音響監督の田代敦巳さんが、田代さん自身もお知り合いだった大隅さんの妻の愛称「ノンちゃん」からヒントを得て、ノンノンと命名したんだそうです。

フローレン」と答えた方も多いのでは? 1990年放送の平成版アニメ『楽しいムーミン一家』(テレビ東京系)の製作にあたり、原作者のトーベ・ヤンソンから「ノンノンはnoやnonなどの否定的な言葉を連想させる」という意見が出たため、ムーミン童話が書かれたスウェーデン語名Snorkfrökenの“お嬢さん”にあたるfröken(フローケン)と、同じ語源をもつドイツ語のFräulein(フロイライン)から、フローレンと呼ぶことにしたといわれています。

たまに、「ノンノンフローレンは同じキャラクター?」「ムーミンの彼女って、変わったの?」と疑問を抱く方がいらっしゃるようですが、ご安心ください、ノンノンフローレンも呼び名が違うだけで同じキャラクター、どちらもスノークのおじょうさんのこと。つまり、ムーミントロールの彼女の正式な名前はスノークのおじょうさんですが、ノンノンフローレンも同一人物ですから、間違いではないのです。

先日、3月16日開園のムーミンバレーパークのアトラクション「エンマの劇場」 ライブシアターのボイスキャストが発表されました。ムーミントロール役に戸松遥さん、スノークのおじょうさん役には花澤香菜さん。配役の名前は原作どおり、スノークのおじょうさんとなっています。世代を超えて愛されるムーミンたちに、バレーパークで会える日はもうすぐ! ノンノンフローレンとして親しんできた方も、これからはぜひスノークのおじょうさんと呼んであげてくださいね。

萩原まみ