ユッシ賞(フィンランド・アカデミー賞)で映画『TOVE/トーベ』が7部門を制覇!


ムーミンの物語を生み出した多才なアーティスト、トーベ・ヤンソンを描いた初の長編映画『TOVE/トーベ』が、フィンランド国内の映画賞「ユッシ賞」(フィンランド・アカデミー賞)で、なんと7部門の賞を獲得しました。受賞に際して、主演女優のアルマ・ポウスティをはじめとするスタッフたちが、感動的なスピーチをしています。

「とても名誉なことで、胸がいっぱいです。私たちは、非常に穏やかであると同時に、野心的な気持ちでこの映画をつくりました。そして、この映画は私たちにとって、愛する子どものような作品になりました」と、トーベを演じた女優のアルマは語ります。

ユッシ賞での『TOVE/トーベ』の制作スタッフとアルマ

『TOVE/トーベ』を作り上げたスタッフが、他にはないチーム魂を持っていたことは、授賞式のスピーチのあちこちで見受けられました。正面最前列で赤いドレスを着ているのがアルマです。主演女優賞を受賞した際の感動的なスピーチで、アルマは、「このトーベ役は自分一人で作り上げたものではありません」とスタッフ全員に感謝の言葉を述べました。撮影現場の温かい雰囲気は、他の多くのスピーチにも表れていました。

アルマは、スピーチの中で、この映画を心に刻んだ観客に感謝しました。そして、トーベ・ヤンソンに「ひとときあなたのそばで踊り、戦うことができたこと」を感謝しました。「あなたの驚くべきファンタジーと天才的なユーモアに感謝します。そして、恐れる気持ちに形を与え、ひと筆で自分の周りの小さな生きものや人生を描き出すその手腕に、感謝します。自由、連帯、勇気についてのあなたの考えは、これから何世代にもわたって人々と共鳴することでしょう」

トーベ・ヤンソンの姪であり、ムーミンキャラクターズ社のクリエイティブ・ディレクターであるソフィア・ヤンソンと、ソフィアの夫であり、マネージング・ディレクターであるロレフ・クラクストロームは、最後列右に写っています。

7部門を制覇

ユッシ賞はフィンランドの映画業界で最も権威のある賞で、毎年、監督、俳優、脚本家などの映画関係者の功績を称えて授与されます。『TOVE/トーベ』は、最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演女優賞、最優秀撮影賞、最優秀衣装デザイン賞、最優秀メイクアップ賞、最優秀プロダクションデザイン賞の7部門を受賞しました。

アレクシ・バーディーと共に、ヘルシンキ・フィルムでこの映画を制作したアンドレア・ルーテルは、たくさんの賞を受賞したことの喜びを語りました。彼女は、「とても光栄で嬉しいです。映画制作はチームワークなので、制作チームの主なメンバーみんなが、ふさわしい評価を受けたことに、特に感謝しています」と述べました。

彼女と共同プロデューサーのバーディは、最優秀作品賞の受賞スピーチをすべてトーベ・ヤンソンに捧げました。「私たちは、この作品のすべてのきっかけとなったトーベ・ヤンソンに感謝したいと思います。トーベがスウェーデン語を話すフィンランド人であること、そしてこの映画が彼女の母語であるスウェーデン語を用いていることをアピールするために、私たちは、この映画をスウェーデン語とフィンランド語両方を用いて撮影しました」

映画『TOVE/トーベ』は、ただ今絶賛上映中! 日本では 2021年10月のミニシアターランキングで、4週連続1位を獲得しました。上映情報は、こちらの『TOVE/トーベ』オフィシャルサイトから。

翻訳/内山さつき