アラビアのムーミンマグ ムーミンママとフィリフヨンカのデザインがリニューアル!


アラビアのムーミンマグシリーズの、ムーミンママとフィリフヨンカの新しいデザインが定番のコレクションに加わります。イラストレーターで陶芸家のトーベ・スロッテがリニューアルしたこのセットは、ムーミンの物語に登場するキャラクターの特徴を深く掘り下げ、日々の生活のシーンを描くもの。マグカップ、プレート、ボウルのセットは2月に発売予定です。

リニューアルされたセットでは、トーベ・ヤンソンのムーミンの物語に登場する人物たちが、日々の生活のさまざまな場面の中で親しみやすくデザインされています。ムーミンママはやさしく理解があり、人生や自分とは異なる人々にもオープンで、さまよう人たちをいつもあたたかく家に迎え入れてくれるのです。一方、フィリフヨンカは3人の子どもを持つ母親ですが、清潔さ、秩序、予測可能性に人生を支配されていることを表すキャラクターです。

ムーミンママのセットに使われている新しいイラストは、トーベと弟ラルスが手がけた「おかしなお客さん」(1959年)と、トーベによる「ふしぎなごっこ遊び」(1956年)のコミックスをベースにしています。フィリフヨンカのセットのイラストは、ムーミンの小説『ムーミン谷の十一月』(1970年)とトーベとラルスによるコミック「イチジク茂みのへっぽこ博士」(1959年)をベースに、またひとつのイラストは、トーベによるコミック「ムーミンママの小さなひみつ」(1957年)がもとになっています。

やさしいムーミンママと、きれい好きなフィリフヨンカ

トーベ・ヤンソンは、ムーミンママのキャラクターのモデルは、自身の母親のシグネ・ハマルステン・ヤンソン(愛称ハム)であると語っています。ムーミンママはムーミン谷の支えとなる存在であり、ムーミンやしきの中心です。ムーミンママが対処できない状況はなく、ママは困っている人にやすらぎと必要なアドバイスをいつも与えてくれるのです。

ムーミンママの商品のオリジナルのイラスト

一方、フィリフヨンカ族は、ムーミンの物語の中で全く異なる感情を表しています。特にフィリフヨンカは、ムーミンママのちょうど反対の存在だと考えられるでしょう。神経質で心配性のフィリフヨンカは、子どもたちに悪い習慣をつけさせたくない、厳格な親なのです。彼女は家の中を常に掃除することで、生活を秩序あるものにしようとしています。本当はムーミンママの自由奔放なライフスタイルを羨ましく思いながらも、自分の保守的なやり方を手放すことができないのです。

フィリフヨンカの商品のオリジナルのイラスト

家事をするキャラクターたち

新しいムーミンママのマグのイラストでは、ムーミンママがメイドのミーサと一緒に野菜畑の手入れをしています。ムーミンママがメイドを使っているのは、フィリフヨンカが、ムーミン一家には、散らかった家を片付ける手伝いが必要だと勧めたためです。

ムーミンママの思いやりの心は、家族に向けられるだけではなく、ムーミンやしきを訪れるどんな人も世話する準備をしています。マグカップの裏側にも描かれているように、ムーミンママは自分のためにひと休みしたり、おいしいコーヒーを飲んだりと、人生に小さな楽しみを見出すことも上手なのです。

ムーミンママの新しいマグ

一方、フィリフヨンカは家の掃除に取り憑かれていて、春の大掃除を統率する機会を与えられると、真骨頂を発揮します。マグとセットのイラストにもあるように、フィリフヨンカはホコリや汚れが隠れているような場所を見つける鋭い能力を持っていて、見つければ石鹸の泡を浴びせて汚れを落としにかかります。

このイラストのもとの物語は、ムーミン谷に精神科医がやってきて、フィリフヨンカのお掃除コンプレックスを治療しようとするところから始まります。フィリフヨンカの家が荒れていき、ムーミンママは独自の方法で状況を解決しようとします。ママは電報を偽造し、フィリフヨンカの子どもたちに、それを母親に届けるようにと言います。その内容は、淑女協会がフィリフヨンカの家を訪ねてくるというもの。このシンプルな計略で、ムーミンママはフィリフヨンカの掃除への情熱を取り戻すことができたのでした。

フィリフヨンカの新しいマグ

プレートとボウルが含まれた、新しいムーミンマグの「ムーミンママ」と「フィリフヨンカ」シリーズは、2021年2月15日に発売され、しばらくは定番のシリーズの一部となります。

翻訳/内山さつき