「ぼくは何よりも星が好きなんだ」―― スナフキンにまつわるあれこれ、知っていますか?


スナフキンは、釣りをしたり、ハーモニカを吹いたりしながら放浪する、哲学的なさすらいの旅人です。ムーミンの本を読んだことがある人なら、誰でもスナフキンを知っていることでしょう。でも、スナフキンにまつわるあんなことやこんなこと、知っていましたか?

「世界が爆発したら恐ろしいことだろうね。素晴らしく壮観だ」――スナフキン 『彗星追跡』(1946年)より

スナフキンはムーミン作品の多くに登場しますが、最初に描かれたのは『彗星追跡』(1946年、のちに『ムーミン谷の彗星』へと改訂)です。この本では、幼いムーミントロールと友だちのスニフが、地球に近づいてくる、しっぽのある奇妙な星の謎を解くため、おさびし山へと旅立ちます。ムーミンたちは、スナフキンをはじめとする新しい仲間たちと旅の途中で出会い、共に冒険するのです。

スナフキンは、初めて出会う人や初めての出来事にも好奇心とあたたかい心で向き合います。ムーミン谷でムーミンたちと一緒に過ごすことを楽しんでいますが、11月になって冬が来るといつも南に行ってしまって、春になるまでムーミン谷には戻ってきません。誰かと一緒に行動するのを避けているわけではないのですが、一人で旅をする方が好きなのです。スナフキンの親友がムーミントロールであることはご存知ですよね。では、スナフキンのきょうだいも、実はムーミン作品の主要なキャラクターなのを知っていますか? そう、ちびのミイとスナフキンはきょうだいなんですよ!

「ぼくは何よりも星が好きなんだ。眠るとき星を見て、誰が住んでいるのかとか、どうやったら行けるのかとか、考えるんだよ」――スナフキン『彗星追跡』(1946年)より

スナフキンはおおらかかつ気楽な性格で、さまざまなことを考えるのが好きです。彼はいつも自由に行ったり来たりをしています。ムーミン谷にはスナフキンに憧れているものがたくさんいて、特に小さくて臆病な生きものたちに慕われているんですよ。

スナフキンのキャラクターは、少なくとも三人の人物からインスピレーションを受けています。一人はトーベ・ヤンソン自身、それからトーベの弟ラルス、そしてトーベの1940年代初めの恋人、アトス・ヴィルタネンです。スナフキンが初めてムーミンの物語に登場したのは、二人が交際していた時期と重なります。

「大切なのは、自分のしたいことがなにかを、わかってるってことだよ」――スナフキン『ムーミン谷の夏まつり』(1954年)より

 

旅をしながら、スナフキンは新しい場所を探検したり、釣りで運試しをしたりします。夜、特に月明かりの中を散歩するのも好きなんですよ。訪れた場所の名前を誰かにたずねることは決してありません。スナフキンはただ旅を楽しんでいるのです。

あなたはスナフキンのように旅をするのが好きですか? それとも家でのんびりする方が好きですか?

スナフキンをテーマにしたイベント&フェアも開催中!

「スナフキン」をメインとしたアートやグッズが盛りだくさんの「MOOMIN POPUP STORE by Small Planet」が、JR東京駅 八重洲南新幹線乗り換え口前催事場にて6月16日まで開催中ですよ。スナフキンの魅力がたっぷり味わえる、ファン必見のイベントです。

また、ムーミンショップ、ムーミンカフェ、ムーミンスタンドの合同フェアとして、スナフキンフェアも開催中(7月上旬まで)。ムーミントロールとの時間も、孤独の時間も、大切に過ごすスナフキンなくらしに憧れて…、オリジナルデザインのコーヒーアイテムや素敵なメニューがたくさん! ぜひ、のぞいてみてくださいね。

翻訳/内山さつき