イタリア語版のために描かれた、『ムーミン谷の冬』のカラーイラスト

トーベ・ヤンソンは、自身の小説のさまざまな版で、テキストやイラストを編集しています。トーベは翻訳版のためにもイラストを描き下ろすことがありました。イタリア語版の『ムーミン谷の冬』には、ムーミントロールの冬の冒険をより魅力的にする、美しいフルカラーのイラストが収録されています。このカラーのイラストは、イタリアの人々だけでなく、他の国のムーミンファンをも喜ばせてくれるものでしょう。

フィンランドで最も他の言語に作品が翻訳されている女性作家のトーベは、1961年、イタリア語版の『ムーミン谷の冬(Magia d’invernoon)』のために素晴らしいフルカラーのイラストを描きました。これは1957年の作品で、冬眠から目覚めたムーミントロールは、自分が見慣れない神秘的な冬の季節にいることに気づきます。外は白く、寒くて静かで、雪に覆われた世界は、危険と奇妙な生きものたちに満ちていたのでした。

トーベは文章を書くことに長けていただけでなく、さまざまな技法を駆使して、モノクロのイラストでも情感を生み出す才能を持っていました。それでも、イタリア語版の本のために制作されたカラーのイラストは、冬の自然の新たな一面を表現しています。フルカラーのイラストレーションによって、冬の多様性と雪に包まれた自然を、モノクロの挿絵だけで見るよりも深く感じ取ることができるのです。

この本の美しいカラーのイラストが、イタリア語版以外の本で見られるようになったのは、イタリア語版の出版から数十年後、ごく最近のことです。このカラーのイラストはフィンランド語版にも収められていて、近々他の言語の本にも収録される予定です。