『ムーミン谷の彗星』改訂のためにトーベが本に書き込んだメモ

トーベ・ヤンソンによるムーミンシリーズの小説『ムーミン谷の彗星』は、1946年にスウェーデン語で出版されました。作家、イラストレーターとして、トーベは改訂版や外国語版が出るときには、イラストレーションやテキストの一部をしばしば変更しています。『ムーミン谷の彗星』は、原語であるスウェーデン語版だけでも、3つの異なるバージョンがあります。

初版のスウェーデン語版は『Kometjakten(彗星追跡)』、第二版は『Mumintrollet på kometjakt(彗星を追うムーミントロール 1956年)と第三版は『Kometen kommer(彗星がやってくる 1968年)と題されています。英語版は1951年に、フィンランド語版は1955年に『Muumipeikko ja pyrstötähti(ムーミン谷の彗星)』として出版されました。

トーベ自身が次の版のために、膨大なメモを書き込んでいる初版本がムーミンキャラクターズのアーカイブにあります。そこには小説のタイトルの候補もあります。その一つは「Komet i sikte!(迫る彗星)」でした。

水彩画からインク画まで

初版の『彗星追跡』では、挿絵の一部がモノクロの水彩画になっていますが、次の版ではインクによるイラストレーションに変更されています。他にも違いがあるのですが、ムーミン小説の異なる版や翻訳を並べて比べてみる機会はあまりないですよね。

例えば、スウェーデン語版の最終版では、自然の描写はフィンランドの自然により近いものに変更されていたり、ムーミンパパが牛乳の代わりにパームワインを欲しがっていたり、スニフはキヌザルの代わりに猫を助けたりしています。

年を経るにつれて、ムーミン自身の形もこんな風に柔らかく丸みを帯びるように変化しているんですよ。

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