トーベ・ヤンソンを描いた初の映画「TOVE」の主演とナショナル・プレミアが発表!

2020年1月16日、トーベ・ヤンソンを描いた初の長編映画「TOVE(トーベ)」の主演と、フィンランド国内でのプレミアが発表されました。ザイダ・バリルートが監督し、トーベの母語であるスウェーデン語を用いて、フィンランドのヘルシンキで撮影されました。トーベ役は、フィンランドとスウェーデンの舞台シーンで幅広く活躍しているフィンランドの新進気鋭の女優、アルマ・ポウスティ。ヴィヴィカ・バンドレルはクリスタ・コソネン、アトス・ヴィルタネンはシャンティ・ロニーが務めました。フィンランドで初上映されるのは2020年9月の予定です。

「電話をもらったとき、私は泣くと同時に笑っていました」と、アルマ・ポウスティは、世界的に有名なムーミンの生みの親を描いた初めての映画で、トーベ役を射止めたと聞いた瞬間のことを語っています。「フィンランドのほとんどの人と同じように、私もトーベと一緒に育ったんです。子どもの頃からトーベの芸術や作品に囲まれていました。私たちは家庭でもいつも彼女の本を読んでいたので、話すことさえも彼女の言葉を通して覚えたと思います」。

ポウスティは、いくつかの北欧映画に出演していて、特に舞台のキャリアで知られています。フィンランド国立劇場、ストックホルム市立劇場、ヨーテボリ市立劇場で舞台に立ちました。以前ヘルシンキのスウェーデン劇場で行われた劇で、トーベ・ヤンソンの役を演じました。今回、長編映画では初めて主役を務めます。

「トーベ・ヤンソンは、とても刺激的で大胆で、魅力的な役柄でした。この野心的な作品に参加することができ、トーベの芸術と愛、双方における内面世界と葛藤、その稀有な物語の一部を伝える手助けができて嬉しく思っています」と、ポウスティは述べています。

面白いことに、アルマ・ポウスティはトーベ・ヤンソンと個人的なつながりがあります。彼女の祖母ビルギッタ・ウルフソンはヤンソンと親しい友人で、ポウスティは子どもの頃、ヤンソンに会ったことがあったのです。彼女にとって、主役のトーベ役は大切な意味を持っていました。

「自転車に飛び乗って花を買い、墓地に行きました。トーベのお墓と祖母のお墓はとても近くにあります。二人は友達だったんです。祖母を通して、トーベとのつながりを感じました」。

監督は、高く評価されているフィンランド人のザイダ・バリルートが務めました。彼女にとって5作目の映画となります。彼女は、アルマ・ポウスティがトーベ・ヤンソンを演じるのにふさわしい特性をすべて備えていると言います。「トーベ・ヤンソンを演じる女優を探していたとき、まさしくトーベのようなエネルギーを持ち、ムーミンのような驚くほど独創的なものを生み出した人物をしっかりと演じることができる人を求めていたんです。アルマの演じるトーベは、知性と愁い、そしてユーモアとコケティッシュさを合わせ持っています。このような素晴らしい女優を多くの観客に紹介できることを、とても楽しみにしています」とバリルートは語っています。

偉大な芸術家をもっと身近に感じてもらいたい

「TOVE」の舞台は、1940年代から50年代にかけての10年間。活気に満ち、ジャズに溢れるフィンランドのヘルシンキです。トーベは当時30代から40代でした。

「私たちはトーベが野心的で意欲的な若い芸術家だった時代、そして自身が本業と考えていた絵画ではなく、ムーミンによって注目を集め始めた時代に焦点を当てました。彼女の中での、ムーミンと画家としてのキャリアの関係性は非常に興味深いと思います。痛みを伴う人間関係と恋愛の最中で、どのようにバランスを保つか、仕事の中で独立と自由をどのように維持するか、そして人生で愛する人をどのように守るかというのも同じくテーマです」とザイダ・バリルートは述べています。

監督は、この最愛の芸術家に、観客がもっと親近感を持ってもらうことを願っています。「私は映画をできるだけ骨太で、エネルギッシュで、親密なものにすることを目指しています。私が思うには、私たちが花冠をかぶった姿で知っている最愛のトーベ・ヤンソンは、とても遠い存在で、高い玉座の上で崇められているのです。この映画は、彼女をもっと身近に感じてもらう私なりのやり方です。私たちはフィルムで撮影していますが、そのことを特に嬉しく思います。美しく、軽やかで、そして激しいストーリー・テリングを目指しています」。

「TOVE」は、フィンランドの俳優で作家のイーヴァ・プトロの脚本に基づいています。イーヴァ・プトロはロシア国立芸能研究所を卒業し、同性愛をテーマとした短編映画をいくつか書いています。この映画はヘルシンキ・フィルムがプロデュースし、アレクシ・バーディーとアンドレア・ロイターが共にプロデューサーを努め、ノルディスク・フィルムが配給しています。

 

あらすじ

舞台は1945年のヘルシンキ。戦争が終わり、画家トーベ・ヤンソンは、色彩を取り戻す。トーベはようやく自分のアトリエを手に入れ、国際的なアーティストとして成功しつつあった。トーベは、女性は子どもを持ち、家庭を作るものという社会的なプレッシャーには屈さず、芸術と自由を何よりも大切にしていた。自由は、既婚の政治家であり、左翼の知識人であったアトス・ヴィルタネンとの関係をオープンにすることでもあった。しかし、互いに相手を所有しないというこの高い理想は、トーベが女性の劇場監督のヴィヴィカ・バンドレルと出会い、激しい恋に落ちたときに試練を迎えることになる。

自身の人生に触発され、トーベはムーミントロールの物語を書き始める。戦争中、防空壕で怯える子どもたちに語った物語が、すべての始まりだった。ムーミン・フィーバーが世界中で巻き起こり、ムーミンの最初の舞台が作られた後、トーベは広く読まれている新聞「イブニング・ニューズ」で、ムーミン・コミックスを日刊連載する長期契約を得る。しかし契約による最初の金銭的自由は、次第に自由な制作時間を奪う負担へと変わっていった……。

「TOVE」は、ヘルシンキ、群島地域、そしてパリが舞台となっている。それは、アーティストとしての自分自身の声と道筋を見つけること、困難な決断を下すこと、そして自分が完全に愛されるに値する存在であることに気づくこと。それは、今日も世界中の人々の心を打ち、愛され続ける作品を生み出した一人の芸術家の女性の物語。