(13)ムーミンで演出するクリスマス

ラップランドでは太陽が昇らない日が続いている。寝ても覚めても夜みたい。イベントがなかったら、気はどんどん滅入ってしまいそうだ。クリスマスよ、本当にありがとう。
この時期はムーミンショップもてんやわんやの大賑わいだ。去年のクリスマス大ヒット商品は、コンピュータ型のムーミン学習マシンだった。ある年は靴下が売れ線で、お店の前に何百という靴下を重ねてつくった手作りツリーまでお目見えした。定番はといえばパジャマで、クリスマス前には大人用・子供用とかなりの数を用意しておく。

クリスマスをとりまくムーミンの新しい傾向は「演出」かな。プレゼントだけでなく、ムーミンをあしらったツリーの飾り、ジンジャークッキーやケーキでクリスマスを盛りあげようというグッズが増えている。ツリーのケーキ型までムーミングッズとしてラインナップ(いちおうムーミンお子様エプロンがついてるから、ムーミングッズでいいのか)されているほどだ。

ムーミンショップには元家庭科教師のアンネがいる。今年は彼女の手作りムーミンハウスやジンジャークッキーがお店を飾ってます。飾り用のクッキーはもちろん食べられるんだけど、ちょっと丈夫にしてあげるために、いつもよりも温度低めで焼き時間を長めにじっくり焼くといいらしい。

フィンランドのクリスマスは、イブの日にサンタさんが家にやってくる。子供たちは歌って踊ってサンタさんを楽しませ、そうして大きな袋から抱えきれないほどのプレゼントをもらうのだ。大きなおもちゃやら衣類、お菓子もあり。本が出てくれば鉛筆やノートなんてのもある…とにかくいろんなものがクリスマスプレゼントとして登場する。今年のイチ押しはいかに。ちなみに私は自分用をまず調達だ。トーベ・ヤンソンが手がけた最初のムーミンコミックをまとめた本。

そうそう、ムーミンショップのニュースといえば、少し前にフィンレイソンのバッグを持ってここにも登場してくれたミーア。スカウトされてモデルの道を歩み始めたのですが、人気急上昇で、フィンランドのファッション誌の表紙まで飾りました。ムーミンショップも進化中。素敵なクリスマスを!


森下圭子

 

「ここに売ってなかったら、フィンランドでは手に入らないと思った方がいいかも」なんて言われるほどの百貨店、ストックマン。ショーウインドウには、クリスマスらしい場面がちりばめられている。ちゃっかりスティンキー。
クッキー型で大判が登場。大人の足くらいのサイズかな。クリスマス前のご挨拶に、こうやって紐をとおしてプレゼントしてもよさそう。この大型版、それほど力を入れなくても生地にぎゅっと押し付けられ、また生地から離しやすくなっている。
自分用のクリスマスプレゼントはこれ。1947~48年の、最初のムーミンコミックをまとめた一冊。