モラン The Groke

ムーミン谷の住人たちから恐れられる、女の魔物。モランはいつもひとりぼっちで、冷気をまとっていて、彼女が歩くと草木は凍り、地面には霜が。その姿は岩のように巨大で、ぼろぼろのスカートのすそを引きずって、どこからともなく現れます。彼女はランタンの明かりや冬のかがり火など、明るく、温かいものに引きつけられる傾向があります。
モランについてよく知る者はおらず、誰もモランのことを好きではありません。しかし、モランはただ冷たすぎるだけで、実はそんなに危険なわけではないのです。ムーミン一家はモランを怖いと感じる一方で、かわいそうだとも思っています。
小説『たのしいムーミン一家』で、トフスランとビフスランが持ち去ったルビーを取り戻そうとムーミン谷に現れたとき、みんなはモランを恐れ、疎ましく思いました。同作ではモランはカタコトの言葉を話しますが、他の作品では悲しい声で泣き叫ぶだけ。小説『ムーミンパパの思い出』では、恐ろしい声で歌いながら、夜の狩りをすると書かれています。

Tips:冷たくなくなったモラン

モランといえば、すべてを凍りつかせてしまう孤独な魔物、というイメージを持っている方が多いかもしれません。しかし、小説『ムーミンパパ海へいく』で、モランとムーミンたちの関係は大きく変化します。モランがムーミン一家を追って灯台の島に現れると、ムーミントロールはカンテラの明かりを見せてやります。最初はモランを恐れ、モランが島に影響を与えないようにするためでした。モランのほうも、カンテラの明かりだけが目当てだったはずです。でも、灯油が尽きてしまって、カンテラを灯すことができなくなっても、ムーミントロールはモランに会いにいきました。モランもそれを喜んで、うれしそうに歌い踊ったのです。すると、冷たさが和らいで、もう周囲が凍ることもなくなりました。